三回目の種子島。
夜の打ち上げがある、という噂が流れていた頃から
行く気でいました。

ただ、気持ちは先走ってても、準備は直前。
いざ前日になって、宿もとらないまま。
あわててテントを用意するような、そんな有様でした。

そうして、必要そうなものを片っ端から
バッグにつめこんで出発した結果、
自宅を出て、十分後に異変は起こりました。

腰が・・、痛い?

なにかが刺すような、そんな痛み。
大した痛みではないのですが、こんなことは初めてです。
空港で荷物を預ける時に原因が分かりました。

18kg!

背中にしょっているリュックをいれれば、20kgを
超える荷物をかついでいることになります。
特に鍛えてもいない自分の体には厳しすぎる重荷。

この段階で、目的の打ち上げ見学場所「恵美の湯」
に歩きで行くことは難しくなりました。
タクシーで行けばなんとかなるかな、と気楽には
考えていましたが。


羽田よりスカイツリー 飛行機とツリー


羽田空港で飛行機が飛び立つのを写真に収めたり、
開業が迫るスカイツリーを眺めたりしながら
前に同じような光景を見たことを思い出してました。
もう3回目ですから、なにもかも新鮮というわけでも
ありません。それでも、普段、会社へ向かう道との
違いに、これから種子島へいく、ということが
現実じゃないような感覚に陥ります。
ちょっとした夢を見ているんじゃないか、というような。


空から富士 <飛行機から富士山>

ハツタネ(初種)の時も見た富士山。

あの時には自分が3度も
種子島に渡ることになろう
とは思いもしませんでした。
持っているカメラも
すっかり変わりました。


順調に飛行機で鹿児島空港、バスで港へつき、
ぼんやりと見える桜島を見てから
種子島に向かう高速船トッピーに乗ります。
島に近づくにつれ、濃くなる霧。
でも、天気予報は、そんなに悪くない感じでしたので、
特に心配していませんでした。
普段の50倍かけて、晴れるようにお寺にお祈りしてきましたし。


錆 <港のロケット>

毎度おなじみの港の白いロケット。
でも、前に来た時より、ちょっと茶色い錆の
部分が増えたように思います。
海に近い場所ですし、毎回塗りなおすわけにも
いかないんでしょうね。


種子島のバスで知り合ったおばさんに「元気でね。」と
挨拶をされながら、長谷という場所で降りる。
ここから今日泊まる予定の長谷展望公園まで歩いていきます。
ぎりぎり、と音がしそうなくらい肩にくいこむ荷物。
ほんと重い。

やっとの思いで公園に着いたとき、そこにはすでに
先客がいました。キャンピングカーにアンテナを取り付けて
無線交信の準備をしている人、長谷公園から打ち上げを見ようと
下見をしている人達、(すでに場所取りのシートも3つほど。)
そして・・、

誰でしょう?

キャンプ場のある宇宙ヶ丘公園ならともかく
ここでテントを張っている方に会うとは思いませんでした。
その前で話をしていたメガネの小太りな男の人に挨拶します。

「今日、自分もここで泊まる予定なので、よろしくお願いします。」

それから自分のテントをたててたら
なぜか、スパゲティ(!?)が2人分できていました。

「会社の子と二人で来る予定だったんだけど、これなくなっちゃって。」

どうぞ、とすすめられてしまいました。

うう、こんなところで暖かい食事にありつけるなんて。
カロリーメイトな携帯食料で耐え忍ぶ予定だった自分にとっては
ありがたいかぎりです。おいし〜。

このお方、今回の旅で大変お世話になる人なのですが、
今回、打ち上げを見るのは初めてで、愛媛県から車でお越しの方。
(「愛媛さん」とここでは呼ばせていただきます。)

なんでも軍事技術に興味があって、ロケットにも興味をもたれた、とか。
そういう方面から来る方もいらっしゃるんだ〜と思いました。
ロケットの打上げに集まる人って、聞けば聞くほど、多種多様な人がいる
ことが分かってきます。

ひとしきり愛媛さんと、明後日のロケットの打上げや、
明日の自分の目的地である「恵美の湯」の位置について情報交換をしたあと、

「こんな時間に寝れるかな〜?」
「絶対寝れません!」

日が暮れて、すこし風が冷えてきた頃、就寝。
疲れていたのか、寝袋にくるまって緑の天井を眺めるうちに、
あっという間に眠りにおちていました。

明日の昼にはロケットの機体移動。その約12時間後には本番です。
まだ見ぬ夜の打上げはいったいどんなものなのか?


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