年をとるたびに増えていったようなシワとコブ。
高さよりも、その太さが目立つような幹。
薄い霧の中にたたずむ巨木は、この森の長老を象徴するような
老獪な顔をしていました。
「確かにでかい。」「テレビで見ても分からない。」
縄文杉を目の前に、弟の口から直感的な感想がこぼれます。

自分が思いつくのは“図太い”
この木にこそ、あてはめたくなる言葉です。
幹の太さもそうですが、その威容とも異様とも言える伸び方、表面の起伏。
曲がりくねった人生をたくましく生きてきた、お爺さんの顔にも見えてきませんか?







ここまで(弟が)背負ってきた重い三脚をたてて、カメラをセット。
縄文杉の前で二人でヽ(´ー`)ノばんざーい!
これが5時間かけて山道を歩いてきたとは思えないほど、晴れやかな表情が撮れました。


しばし、縄文杉の前で余韻にひたりながら、写真を撮ってると
かろうじて入る電波からスマホが、ロケット打ち上げの情報を知らせてきました。

明日の午前10時半。

明日、船で種子島に渡っても間に合うかもしれませんが、
夜の機体移動を見るためには、今日中に打ち上げ見学場まで行く必要があります。
さて、タイムリミットとの競争です。
縄文杉との対面もそこそこに、今まで登ってきた道を急ぎ足で、(時には走って)降りていきます。
そしたら、今まで出会わなかった屋久鹿がでるわでるわ。


鹿1 鹿2


鹿3 鹿4


最初こそ、おお!となったものの、野良猫よりも多く出てくる鹿に飽きる始末。
トロッコ道をのんびり歩く鹿に足を止めるのも惜しみ、どんどん下っていきます。
行きが5時間だったのが、帰りは3時間ちょっとだったはず。

駐車場で装備を下ろし、レンタカーの中をかたずけていると
一人の青年が話しかけてきました。話を聞くと、千葉から来た方でやっぱり明日、
ロケットを見に行くつもりらしい。考えることは同じですね。
同胞を見つけて喜んだものの、そんな暇は無いと弟が尻をたたきます。

ハイペースな旅もいよいよ中盤。種子島とロケットが待っています。


「ロケットとの再会」へ

「初の種子島ロケット打ち上げ見学」TOPへ
inserted by FC2 system